指先が再生ボタンに触れるよりも先に、何かがもう動き出している夜がある。サムネイルという静止した一枚の画像は、ときに映像本編以上の想像力を呼び起こし、理性より早く感情に火を点けてしまう。
「サムネだけでマスターベーションへの衝動が走ってしまう」
そんな経験を持つ僕が厳選したAV作品を紹介していく。なぜその一枚で始まってしまうのか。その理由を、少し立ち止まって考えてみたい。始まったマスターベーションを終えるために、作品を購入してほしい。
白上咲花ちゃんの裸は必要がない看護師の三編み姿の笑顔のサムネ画像だけで十分
ある種の状況下において、裸体は必ずしも必要ではない。昨今のAV業界が提示する記号的な豊満さとは無縁の小ぶりで、しかし非の打ち所なく清潔な彼女の乳房。それをわざわざ視認する必要さえ、今の僕にはなかった。
白上咲花が看護師の衣装を纏い、三編みの髪を揺らして微笑んでいる。そのサムネイル画像を目にした瞬間、僕の中のマスターベーションという名の静かなエンジンは、すでに始動していたのだ。
僕はベッドを降り、床に這いつくばる。この状況における最適解は、床オナというより重力に忠実な儀式だ。僕は脳内のスクリーンで、彼女に囁きながら深い舌の絡み合いを交わし、三編みの髪が放つ微かな匂いを嗅ぎ、その白い肌を唇と舌で同時に愛撫する。
そんな妄想の迷路を彷徨っているうちに、ベッドの軋みは唐突に終わりを迎えた。中出しというパンツのなかで射精した僕は、虚空へ向けられた彼女の微笑みに向かって、静かに言い訳を口にする。
「やれやれ、今日は少し疲れていたみたいだ。早すぎてごめん」
僕はこのサムネの画像を見て黒髪清楚美乳人妻との授乳騎乗位という幻を創造した
夫というただ一人の男しか知らないはずの、つい街角で振り返ってしまうような黒髪清楚な人妻。しかし彼女がサムネイルという画像でみせるフェラチオの表情を目にした瞬間から、僕のマスターベーションは、もはや不可逆的なプロセスとして始まっている。
やがて行為は挿入へと移る。僕は彼女の「夫しか知らない」という無垢な履歴を、逆説的なマウントを取るためのレバーとして利用する。
「僕のペニスを使って、ここでオナニーをしてごらん」
彼女は僕の上に跨り、騎乗位の姿勢で自慰という性行為を始める。僕は不自然な、しかし切実な角度から彼女の豊かな乳房の下側に舌を這わせる。それは授乳手コキならぬ授乳騎乗位とでも呼ぶべき、僕らの間に新しく創造された奇妙なシステムだった。
射精の予兆を告げると、彼女は膣から僕のペニスを引き抜き、手で丹念にしごきながら、僕の腹の上にそれを解き放たせるだろう。僕は肩をすくめてこう言うのだ。
「やれやれ。夫しか経験がないなんて、そんなの真っ赤な嘘だろう？」
こんなサムネイルの表情をされたら僕は挿入よりも君の目の間で
僕はただ、マスターベーションをしたい。
サムネイルに映し出された彼女の表情を見つめていると、僕は自分にあるはずの作品の世界に入り込み、彼女に挿入して性欲をぶつけるという特権的な選択肢さえ、いとも簡単に放棄する気がする。
僕はただ君を見つめ、静かにマスターベーションを続けたいのだ。そして僕が果てるその瞬間を、ただ見届けてほしい。きっと君は、どこか遠くのものを見るようなその瞳で僕が崩壊していく姿を見つめてくれるに違いない。やがて彼女は僕を憐れむように、手コキやフェラチオを施そうと僕のペニスに手を伸ばすだろう。
しかし僕はその手を静かに跳ね除ける。やれやれという顔をして、僕はこう告げるのだ。
「悪いけれど、僕は君という存在そのものを使ってシコり続けると心に決めているんだ」
そうして僕は再び孤独なマスターベーションを繰り返す。
