季節がひとつ進むと、関係も少し更新される。風の匂いが変わるように、同じ屋上でも会話の間合いが違ってくる。
この物語は、境界線の上で続いてきた二人が、次の場所へ踏み出すまでの記録だ。静けさと軽やかな可笑しみが、同時にページをめくる。
エスカーブのもういちど宮園でこすりたい

タイトルは「もういちど宮園でこすりたい」。サークル名はエスカーブ。
長く続いた関係が少しだけ形を変える瞬間が好きな人へ。軽やかな笑いと余韻のある結末を求める君に、ちょうどいい最終章。
真面目さが冗談に変わる瞬間そして選択
エスカーブらしいのは、日常の延長線に逸脱をそっと置くところ。宮園は相変わらず委員長で、几帳面で、計画的だ。けれど彼女のToDoには、誰にも見せない願いが書き足されている。
屋上から図書室へ場所が変わるたび、距離も更新される。
本作はシリーズ完結編にふさわしく、関係性の揺れとギャグの切れ味が心地いい。危機は大げさにならず、冗談へと反転し最後に残るのは次の選択だ。
続けるのか、進めるのか。
その答えは、ページの向こうで静かに待っている。




