人生には、ときどき想定外の扉が開く瞬間がある。そよ風ほどのきっかけなのに気がつくと別の世界の温度に染まってしまっている。長頼の「媚熱サークル」は、そんな ずれた衝動の瞬間”を静かで熱い筆致で描いた作品だ。
長頼の媚熱サークル

タイトルは「媚熱サークル」。作家名は長頼。
自分でも気づかなかった欲望のスイッチに、ふと手が触れてしまう。そんな女子校生のひと夏の迷いを、美しく鋭く描いた物語を探している君へ。
迷いを抱えた彼女が踏み込んだ場所
物語の主人公・美咲は、難関校での重圧の中で、自分のペースを見失いかけていた。予備校で出会った高坂は、そんな彼女に「気晴らしになる場所がある」とだけ言った。
彼に連れられて訪れたマンションの一室は、不思議な熱を帯びていた。静かに音楽が流れ、談笑する大人たちがいて、その中心にはルールに縛られない夜を楽しむサークルがあった。美咲はそこで、自分の中に眠っていた衝動や欲望、そして知らなかった感情の輪郭を知ることになる。
長頼ならではの繊細な情景描写が、彼女の揺れる心の温度をやさしく、しかし確かに浮かび上がらせていく。


