人はなぜ、触れてはいけない気配に惹かれるのだろう。大人びた制服のような装いをまとった彼女が部屋の前に立つだけで、空気の密度が少し変わる。
サークル「不可不可」が描く『インスタントサッキュ2』は、そんな曖昧な引力の物語だ。
孤独と衝動の狭間にいる青年・紺と、彼の秘密を知りながらもそっと寄り添うサキュバス・みすず。二人がすれ違いながらも求め合う、その微妙な温度を描いた続編である。

不可不可のインスタントサッキュ2
タイトルは「インスタントサッキュ2」。サークル名は不可不可。
ただ刺激を求めるだけでは足りなくなった君へ。もっと、心の奥に触れてくる物語がほしい。そんな願いを抱く読者に、この作品は驚くほど寄り添う。
みすずの妖艶さと、紺の不器用さ。大人の制服風の装いが生む懐かしさと艶っぽさの同居。欲望だけでは割り切れない、あたたかい孤独を抱えた二人の物語が、静かに胸を満たしていくはずだ。
曖昧な距離に灯る、ふたつの影の物語
みすずは、人ならざる存在の気まぐれさと、どこか人間らしい寂しさを同時に抱えている。紺の秘密を知ったあとも、彼女はふらりと訪れる。大きめの胸元がやわらかく揺れるそのシルエットは、艶めいているけれど、どこか切ない。
二人の関係は進んでいるようで、どこか足踏みをしている。それでも前より少し近く座るようになった距離感が、読者の胸に静かに落ちてくる。
本作は“サッキュとさっきゅの間”をつなぐ物語だ。
妖しさと生活感、幻想と寂しさ。その境界にそっと手を置くような作品で、ページをめくるごとに穏やかな熱がじわりと広がっていく。



